「値引き」と「オマケ」どちらが得か?

コラム 2017年7月27日 木曜日

これは、「お店」にとってのお話です。

ここ高松市にも飲食店さんがたくさんありますが、それだけに競争は激しいものがあります。

他店に差をつけるにはどうしたらいいでしょうか。

ひとつ例を挙げて説明しますと・・・

 

A、B2つの飲食店があったと仮定します。
A店は、お客様獲得のために2時間4,000円のコースメニューを1割引きにすることとしました。
一方、B店は、2時間4,000円の値段はそのままで、400円相当のメニューを1品サービ
スするこことしました。

 元々の原価率がどちらも同じだった場合、どちらが利益を残せるか?という問題です。
 原価率が4割、固定費が月30万円、1か月に250人のお客様が来たと仮定します。

 まずA店ですが、1割値引きしているので、1か月の売上は90万円です。
  (4,000×250×0.9)
 原価は、元々1人あたり1,600円かかっているので、月合計は40万円です。
 そうすると、この月のA店の利益は
90万円(売上)-40万円(原価)-30万円(固定費)=20万円になります。

 一方のB店は、値引きをしていないので1か月の売上は100万円です。(4,000×250)
 ところがB店は、400円相当の料理を1つサービスしているので、原価は余分に160円
かかります。1人当たり1,760円の原価で、1か月に44万円です。(1,760×250)
 そうすると、この月のB店の利益は
100万円(売上)-44万円(原価)-30万円(固定費)=26万円になります。

 もちろん、お客様の好みはあります(1円でも安いほうがいい人もいれば、充実したメニューのほうがいいという人もいます)が、総体として顧客満足度はそう変わらないのに、利益はなんと30%も違うのです!

 「値引き」と「おまけ」どちらがよりお得かは一目瞭然ですね。
 特に、資金力で大手にかなわない中小企業は、安売り競争に安易に付き合ってはならない。私はそう思います。

 

香川県高松市の税理士・会計事務所

『あなたのまちの税理士さん』

株式会社ダックス会計/吉田貴志税理士事務所

 

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